元気娘の小6姪が、今日に限って元気がない。「どうした?」の問いに、ちょっと投げやりに
「とうとう私がターゲットになったよ」
と言う。その言葉でピンときた。学年カラーを知っているだけに、正直(やっぱりなぁ)と心の中で呟いた。
「無視、されてるみたい。SちゃんとNちゃんと、Yちゃんに」
「いつから?」
「修学旅行の頃《10月後半》からかな。決定的なのは、今日。人の顔を見て、こそこそ何か言ったり、集合して整列するときも、私のことを避けている」
「クラスの女子全員がそうなの?」
「まだ今のところは違うけれど、時間の問題かも」
さて、そのS&N&Yちゃん。正直、あんまり根は深くないと思う。なぜなら、これまでもさんざん仲良くお出かけしたかと思ったら、次の日には姪を外すようなことを何べんもしてきた。多分その場の感情だけをぶつけちゃうタイプの子供なんだろうと思う。だがうちの姪も負けちゃいないから、その度、彼女なりの方法でその場をしのいできた。
さて、ここで大人であるわれわれ家族の対応だ。母は孫可愛さに「苛められてるだけじゃだめだよ、言いたいことちゃんと言えるようにならなきゃ」と言うけれど、それがなかなか出来ないから本人悩んでるんだってことに、何故気がつかんかね?大人なら言えることでも、子供の世界の関係は短絡的にはいかないのよね。多分、きっと、苛められてる子供たちは、そこのところで悩んでる子が多いんだと思う。
確かに身内がそういう目に遭ってるのは、非常に悔しい。「気にするな」とか「大丈夫だよ」という言葉で片付けられないから、余計に悔しい。でも、いつも思うこと。まず、自分を見直さなければいけないと言うこと。もしかしたら、自分でも気がつかないうちに、相手に嫌な事をしているかもしれない。傷つけることを言ったかもしれない。何気ない一言が、相手を傷つけ、結構後々まで尾を引くような例はいくらでもある。だから、まず、自分自身を省みるよう促した。それでもどうしても心当たりがないのなら、今度は実際に、もっと冷静な目で今の状況を見るようにすすめた。
よくあることだ。女の子同士のヒソヒソ話。このヒソヒソ話ってのに、女の子は結構弱い。自分がやられれば嫌なくせに、自分がやる分にはいい、と言う人は案外多いかもしれない。
さて、現状を冷静に見極めろ、と姪には言ったが、はたしてアイツにそれが出来るか、私は心配。案外明日にはケロッとして、お互い話すようになるかもしれない。
どうしてもどうしても駄目だったら言ってきなさい。みんなでどうすればいいか、考えながら行動しよう、と姪に言った。それと同時に、命だけは自ら絶つような真似しちゃ駄目だよ、と繰り返した。
できれば、ただの杞憂に終わってくれればそれに越したことはない。
さあ、明日、姪はどんな顔をして帰って来るか。どうか満面の笑顔で帰って来ますように、と願ってやまない。