新学期に持っていくものといったら、宿題と、夏休みの計画表、そして、必ずといっていいほど雑巾があげられます。私が子供の頃は、母や祖母が暇を見つけては使い古しのタオル(手拭いもあったな)を雑巾にしていましたね。だから、新学期といって、やれ雑巾がない、などということはあまりなかったように思います。
こうも便利な世の中になると、なんでも揃うんですね。昔は、雑巾は家で作るもの。そして、今や雑巾はスーパーで買うもの。そんな世の中になってしまったようです。
…雑巾、買って、すいません。
女王殺すにゃ刃物は要らぬ。糸と針さえあればいい…
白状しますが、料理以上に嫌いなのが、裁縫です。針持ってると、息苦しくなります。スーパーで雑巾を売っていることを知ったとき、私はそこの店長を、神様だと思いました。だから、愚息が小学生だった昨年までは、白い美しく縫いあがった雑巾を、「はい、どうぞ」なんて渡してました。いえ、今年もそうするはずでした。
ところがだ。
夏休み前の保護者向けプリントに、
「市販品はお止めください」
とかいてあるじゃないか…これって、何かい?世にも恐ろしい、「手作り」ってことですか?
おまけに、10月に行われる学園祭で、一人一個、手作り品を出さなければいけないってかいてあるよ。げげげげげげ…これって、私にとっては、拷問だ~どれだけ苛めるつもりだ?
てなわけで、まずは本日、雑巾作ってきました。大体から、我が家にはミシンというものが存在しないのだから、わざわざ実家に行かなければならないのよ。私がミシンを使うと言ったら、姉は「大雨・雷の原因になるようなことを、しないでちょうだい」と言うし、母は、「どう…やろうか?」と心配顔。娘に至っては、「お母さん、手縫いでいいなら、私、縫おうか?」と言う始末。て~いっ!!どいつもこいつも
うるさいわ!!
久しぶりのミシンめ、私の言うことなど聞きやしない。ちっ…機械の分際で、しゃらくさい。そうでなくとも使い古しの、ヨレヨレタオルを使うので、四つにたたんでも角が揃わなかったり、結構難しいんだから。おまけに、上糸がよく切れるんだ。パツンパツンと…その度に針に糸を通さなければならなくって。私、もう老眼なんだからさ。労わってよ。
てことで、なんとか出来ました。もう、愛しささえ感じちゃう。せっかく苦労して作ったんだから。愚息たちに
「汚さないでよね」
と、言ってやりたい気分です。
(手作り品って、親の手作りじゃなくちゃ駄目なのかしら。私、近所のおばさんの手作り品提出しようと思うんだけど…やっぱ駄目か…)