出会いと別れ

三月が出会いと別れの月だと言うことを、こんなに感じた年はない。

１０年続けた塾の副講師を、先週金曜日で辞めた。
子供たちには一切言わなかった。わたしらしく、淡々とした最後の授業。相変わらず計算間違いばかりの子供たち。でも、まあ、なんとかなるよ、と思ったら、気が楽になった。思えば、最初に教えた子供が、もう成人式を迎えたって。てことは、私もそれだけ年をとったということだな（笑）

そして、今週、木曜日。父が遺し、叔父が継いでくれている会社を退職する。これも約７年。途中、父と伯父を亡くした。それでも、父の弟たちが一生懸命支えてくれて、会社は何とか生きている。
先細りの会社には違いなく、後継者もいないけれど、それでも従業員の皆は頼りがいがあって皆優しい。

さらには、土曜日。私の宝物の一人である姪が、家を出る。大学に合格し、川崎に引っ越すのだ。あの子は、我が家で初めての孫。長く長く待って出来た期待の子だった。その子がおかげさまで非常に素直に育ち（勿論、お定まりの反抗期はあったけれど）、今や姉の相談にものれるほど成長してくれた。亡き父が溺愛した姪。彼女との別れが一番辛い。勿論、今生の別れになるわけじゃない（なったら困る）けれど、今まで通りには生活できない。多分、私の母が一番辛いのかもしれない。きっと、泣くだろうな…

そして、別れたあとには、出会いもある。姪はどんな友達を作るだろう。そして、私は新しい職場が待っている。久しぶりにヒールのある靴を履く生活だ。不安と、期待の今。四月の新しい風が吹くのは、あと少し。