管理人がある日突然、乳がん宣告受けました。
でも、笑って治すわよ!!
母方の伯母が83歳の生涯を静かに閉じました。母の故郷は長野県なので、私も姉も仕事の関係上お葬式には行けずお別れは出来ませんでした。伯母は、ここ数年はアルツハイマーで施設暮らしが続いていましたが、最期は眠ったまま天に召されたそうです。
まさに大往生。綺麗な顔をしていたそうです。
母の実家は代々靴屋を営んでいます。今は私の従姉夫婦が中心となり、駅前で商売を続けています。
その従姉が母に聞いたそうです。
「おばちゃん。前からずっと聞こうと思っていたんだけど…昔、お母さんにそっくりな女性を、時々見かけたんだけれど…あの女性って誰?」
何か事あるごとに、従姉はその女性を見ていた。そして、不思議に思っていたのだと。
――何故、あんなにお母さんに似てるんだろう…?
伯母も伯父も、昔の事を知る人はほとんどいない。うちの母なら知っているだろうと、今まで抱いてきた疑問を、従姉は母に聞いてきたのです。
「ああ、『おこ』ちゃんのことね?あれ、あんたのもう一人の伯母さんだよ」
…でええええええ????
てことは何かい?私たち姉妹にとってももう一人伯母さんがいたってことかい?
つ、つまりだ!既に鬼籍に入っているうちのじいちゃんが、他所に作っちゃった子供だったってこと~~??
初めて聞くその事実に、私は身を乗り出して聞きました。
「そだよ。じいちゃんがばあちゃんと結婚する前に、自分の師匠の奥さんとなさぬ仲になっちゃったんだ。私だって高校のときに聞いたんだもの。
チエコサン(亡くなった伯母)が教えてくれたんだよ。」
今はどうしてるの?って聞いたら、
「どこに行ったかな~?チエコサンの3歳上だからね。生きてるかどうか」
そういえば、と母が言ったのは、
「じいちゃんが、おこちゃんの家に行く時は必ずばあちゃんが『お前も行け』って言ってたのよ。今から思うと、ありゃ、私がお目付け役だったんだね~」
つーことは、ばーちゃんも知ってたのか!
しばらくして、おこちゃん一家は東京に引っ越してしまったそうです。
ちょいとじいちゃん!!あんた、まあ、粋なことを(笑)
私の知っているじいちゃんは、七十を前にボケがひどくなって、子供心に支離滅裂な人だなあ、くらいにしか思い出はないんですが、母の話によると、そこそこモテたみたいだし、如才ない人だったらしい。
若かったじいちゃんは、お師匠さんの奥さんにくらっときちゃったんだろうな。しかも、そのとき、ちょうどお師匠さんは東京で単身赴任(?)していたようで、「女房を頼む」とじいちゃんに言い残して行ったそうなんです。残された奥さんは、そりゃもう、色っぽく見えたんでしょうね。
「女房を頼む」ってのは、そういう意味じゃないよ、じいちゃん、って思ったんだけど、若気の至りだったんだな~(笑)
それにしても、昔の女は潔い。
私は、お師匠さんの奥さんに感服したね。普通なら、
「認知してよ~!教育費よこしなさいよ~」
となるんでしょうが、そんなことは一切いわなかったって言うし、時が来たらさっさと東京に引っ越してしまった。この別れ際の気持ちいいこと!
しかも、うちのばーちゃんもエライ!知ってて野菜やら何やらいろいろ持って行ったんだって。
きっと今頃、あっちの世界で、じいちゃんとばあちゃんとおこちゃんのお母さんと、それからチエコサンも加わって楽しくワイワイやってるかもしれない(笑)
さて、チエコサンが旅立ったことで、母の心も一つの時代が終わったんだと区切りがついたようです。
故郷で暮らした年月より、カテキン王国で暮らした時間の方が長くなってしまった今、もうあの場所へは戻れないと思っているのでしょうね。
でも、戦争をはさんだあの時代、何もなかった時代だけれど、確かに母はじいちゃんからもばあちゃんからもチエコサンからも愛され、青春時代を過ごしたわけで、いろんな思い出がいっぱい心の中に詰まっているんだろうな、と思ったら、少し切なくなってしまったのです。
やっぱり、寂しいだろうなぁ。
しょうがない、今度姉と三人で美味しいものでも食べに行くか…
まさに大往生。綺麗な顔をしていたそうです。
母の実家は代々靴屋を営んでいます。今は私の従姉夫婦が中心となり、駅前で商売を続けています。
その従姉が母に聞いたそうです。
「おばちゃん。前からずっと聞こうと思っていたんだけど…昔、お母さんにそっくりな女性を、時々見かけたんだけれど…あの女性って誰?」
何か事あるごとに、従姉はその女性を見ていた。そして、不思議に思っていたのだと。
――何故、あんなにお母さんに似てるんだろう…?
伯母も伯父も、昔の事を知る人はほとんどいない。うちの母なら知っているだろうと、今まで抱いてきた疑問を、従姉は母に聞いてきたのです。
「ああ、『おこ』ちゃんのことね?あれ、あんたのもう一人の伯母さんだよ」
…でええええええ????
てことは何かい?私たち姉妹にとってももう一人伯母さんがいたってことかい?
つ、つまりだ!既に鬼籍に入っているうちのじいちゃんが、他所に作っちゃった子供だったってこと~~??
初めて聞くその事実に、私は身を乗り出して聞きました。
「そだよ。じいちゃんがばあちゃんと結婚する前に、自分の師匠の奥さんとなさぬ仲になっちゃったんだ。私だって高校のときに聞いたんだもの。
チエコサン(亡くなった伯母)が教えてくれたんだよ。」
今はどうしてるの?って聞いたら、
「どこに行ったかな~?チエコサンの3歳上だからね。生きてるかどうか」
そういえば、と母が言ったのは、
「じいちゃんが、おこちゃんの家に行く時は必ずばあちゃんが『お前も行け』って言ってたのよ。今から思うと、ありゃ、私がお目付け役だったんだね~」
つーことは、ばーちゃんも知ってたのか!
しばらくして、おこちゃん一家は東京に引っ越してしまったそうです。
ちょいとじいちゃん!!あんた、まあ、粋なことを(笑)
私の知っているじいちゃんは、七十を前にボケがひどくなって、子供心に支離滅裂な人だなあ、くらいにしか思い出はないんですが、母の話によると、そこそこモテたみたいだし、如才ない人だったらしい。
若かったじいちゃんは、お師匠さんの奥さんにくらっときちゃったんだろうな。しかも、そのとき、ちょうどお師匠さんは東京で単身赴任(?)していたようで、「女房を頼む」とじいちゃんに言い残して行ったそうなんです。残された奥さんは、そりゃもう、色っぽく見えたんでしょうね。
「女房を頼む」ってのは、そういう意味じゃないよ、じいちゃん、って思ったんだけど、若気の至りだったんだな~(笑)
それにしても、昔の女は潔い。
私は、お師匠さんの奥さんに感服したね。普通なら、
「認知してよ~!教育費よこしなさいよ~」
となるんでしょうが、そんなことは一切いわなかったって言うし、時が来たらさっさと東京に引っ越してしまった。この別れ際の気持ちいいこと!
しかも、うちのばーちゃんもエライ!知ってて野菜やら何やらいろいろ持って行ったんだって。
きっと今頃、あっちの世界で、じいちゃんとばあちゃんとおこちゃんのお母さんと、それからチエコサンも加わって楽しくワイワイやってるかもしれない(笑)
さて、チエコサンが旅立ったことで、母の心も一つの時代が終わったんだと区切りがついたようです。
故郷で暮らした年月より、カテキン王国で暮らした時間の方が長くなってしまった今、もうあの場所へは戻れないと思っているのでしょうね。
でも、戦争をはさんだあの時代、何もなかった時代だけれど、確かに母はじいちゃんからもばあちゃんからもチエコサンからも愛され、青春時代を過ごしたわけで、いろんな思い出がいっぱい心の中に詰まっているんだろうな、と思ったら、少し切なくなってしまったのです。
やっぱり、寂しいだろうなぁ。
しょうがない、今度姉と三人で美味しいものでも食べに行くか…
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